コラム:片づけのプロはモノを通して変化を及ぼす(その1)

  私たちの周囲には、たくさんのモノがあります。 モノは私たちの人生に豊かさをもたらしてくれます。 しかし一方で、モノがないことで貧困意識を感じるケースもあり、逆に、多すぎるモノを抱え込んでいる ために、住まいの快適性を損なっているケースも多く見かけます。   モノとの関係性によって、私たちの人生はより豊かにもなるし、反対に、何をやっても心が 満たされない、という状態にもなり得るのです。   お片づけのプロの仕事は、単なる「片づけ屋」ではありません。モノを右から左へと動かすだけの 仕事を超えて、クライアントのモノとの付き合い方、モノに対する固定観念に変化をもたらすことが、 オーガナイザーの隠された大きな役割のひとつなのです。   ですからオーガナイザー、お片づけのプロは、人がモノに対してどんな感情を抱くかについて、 様々なパターンを十分に理解しておく必要があります。   人とモノとの関係性は、興味深いテーマです。 この普遍的なトピックについて、アメリカのオーガナイザーが書いたテキストを見つけました。 今回から数回に分け、現在活躍中のプロフェッショナル・オーガナイザー、ピーター・ウォルシュさんの インタビュー記事をお届けしたいと思います。   ウォルシュさんは、あるカンファレンスにおけるスピーチの中で、次のような発言をしたそうです。   「私たちオーガナイザーが個人に変化を及ぼしているとき、同時に部屋も変えています。 私たちが部屋を変えているとき、同時に世界も変えているのです」   とても深いメッセージですが、インタビュアーはこの発言の意味するところを、ウォルシュさんに 聞くところからインタビューをスタートさせています。ウォルシュさんは、次のように答えています。   「モノには力があります。 そして私たちが持っているモノには、良いほうに作用する力もあれば、病気になる力を持つモノも あります。その『モノ』達をどのように利用するかは私たち次第なのです。   私たちは、自分が望んでいる人生や共同体や世界に進んでいく一方で、クッキーを貯めるのに 貪欲な子供のように、モノに執着する方向にも進んでいきます。   片づけのプロは、人々がモノとの関係を再考するのを手助けすることによって、彼らが望む 人生・人間関係・共同体・世界を、作り始めることが出来るのです」   モノには力があり、プラスにもマイナスにも作用するという考えには、私も全く同感です。 自分の望む人生へと進んでいく過程において、なぜかモノを貯めこんでしまい、モノのマイナスの パワーにやられて、人生が思うように進まない人が大勢います。   モノのマイナスの影響を受けながら、望む人生を実現しようとする行為は、サイドブレーキを 上げながらクルマを運転するようなもので、思うようにスピードが出ません。   オーガナイザーは、片づけの現場やセミナー、記事などを通じて、人々がモノとの付き合い方を見直す 手助けをします。これはクライアントやセミナーの受講生を、モノのマイナスの影響から解放する ことにつながり、彼らが望む人生を生きる大きなきっかけを与える事になります。   多くの人が望んだとおりの人生を生きれば、世界も変わっていく。 そんな意味が込められたメッセージだと、私は受け取りました(つづく)。   吉島智美(2009/12/19)
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