コラム:片づけのプロはモノを通して変化を及ぼす(その6)

「人とモノとの関係性」というテーマも6回目、今回で最後になります。 これまでのコラムでは、アメリカのオーガナイザーであるピーター・ウォルシュさんの インタビューを通し、人のモノに対する思いが社会情勢にも影響していることを実感しました。   今回は最後なので、彼の発言の中から気になる内容をピックアップしてみます。   「私は、家は人生の反映であると信じています。混乱した家の中では、ベストな選択をする ことや、輝かしく、精神的に豊かで、感情的にゆとりがある思考をすることが不可能だと 信じています。それは、できないのです」   「スパに行けば、静かな音楽を聴き、きれいなものを見、平穏な気持ちを味わいます。 そこにある全てのモノは、静けさや心地よい環境を作るためのもの。 家や職場も、同じであるべきです」    住まいは人生の反映である、という彼の言葉には、私も賛成です。 混乱した部屋で、人生の大事な決断をすると判断が鈍りそう。感情的に安定することも 難しいと思います。   ただ、常にそう上手くいかないのも人間の弱いところ。   普段は部屋をキレイにしている私も、疲れたり忙しいときは部屋が荒れがちになります。 その事を忘れないように、クライアントのありのままを受け入れてあげたい、と改めて 感じました。   「お片づけは、ただ片づけるだけではなく、人生を生きるための手段です。 単なる整理ではなく、人生について決断することなのです。   我々はオーガナイザーとして、クライアントが人生のビジョンを決める 手助けができます」   「クライアントが何か決断したり、モノを購入するとき、それにより求めている人生に 近づけるのか、それとも遠ざかるのかを、常に自分に問いかけるべきです。   クライアントが意思を固めるプロセスで、常にその問いかけをすることによって、 一時的でない永続的な変化が、ほぼ保証されるのです」   お片づけが単なる技術でなく、人生にプラスに影響する行為と考えている私にとっては、 勇気付けられる言葉です。   オーガナイザーが、クライアントの人生を左右する決断に立ちあっている、というのも、 JAPOの主張と同様で嬉しくなります。   求めている人生に近づくか、遠ざかるかという視点も新鮮に感じられました。   確かに、クライアントが劇的に意識を変え、モノを買う時に自分の人生と照らし合わせる ようになれば、人生に大きな変化をもたらすでしょう。   JAPOではどちらかというと、「劇的」よりも「少しずつ」の変化をオススメしていますが、 お片づけが長期的・短期的に人生へ好影響をもたらすことは間違いないでしょう。   そのお手伝いが出来るオーガナイザーという仕事を、私は常々、素晴らしいと感じています。   6回シリーズで続けてきたこのコラム。最後に、ウォルシュさんらしい パワフルな言葉で締めくくりたいと思います。   「私達が与えられる、最もパワフルな『お片づけグッズ』は何だと思いますか? この質問です!」   『あなたの人生のビジョンは、何ですか?』   コラムは以上となります。   インタビューで登場したピーター・ウォルシュさんの本は日本語でも読めます。 ウォルシュさんのメッセージが響いたなら、読んでみて下さい。 どうしても片づけられないあなたへ 不要なモノを捨てて豊かに暮らすための簡単な方法   吉島智美(2010/06/10+加筆)
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